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お祈りで従業員の仕事は毎日中断します

いさお
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いさお
英語と日本語の通訳翻訳者。TOEIC960点、英検1級。2016年から日本とサウジアラビアを行き来し企業の経営会議、技術指導等で18ヶ国300人以上を通訳、及び関連文書を翻訳。サウジ駐在・出張は、「行けば、何とかなる」「英語ができれば、何とかなる」で挑む人は、文化上・英語上のトラブルやストレスに見舞われて、任務の遂行に支障が出やすいと痛感。そこでこれを回避すべく、サウジアラビアに駐在・出張する人が是非知っておきたい情報を、本サイトでお届け!
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イスラム教は単なる信仰上の教義を規定する宗教ではなく、日々の振る舞い方、在り方をも規定する宗教です。

そしてサウジアラビアでは、イスラム教徒が職場でも宗教上の義務を果たせるよう、雇用者には労働者への配慮を求めます(命じます)。
その結果イスラム教の礼拝があなたの仕事にどのように関わってくるか、見ておきましょう。

 

イスラム教のお祈り時間

礼拝というのは、イスラム教徒が実行しなければならない5つの義務、五行(ごぎょう)のひとつです。

五行の中身は”アッラー(神さま)以外に神はいなくて、ムハンマドはアッラーの使徒ですと明言(”告白”)する”とか、”可能な人は一生に一度はメッカへ巡礼に行きましょう”とか、日本人には馴染みがないことで、一つ一つ見ていくと非常に興味深いものです。

そして、そうした5つの義務のひとつに挙げられているのが礼拝で、”毎日五回、メッカの方向を向いてお祈りしましょう”とされています。

 

毎日のお祈りは、五回こなせるならいつでもいいというものでもなく、タイミングについて次のようになっています(宗派により若干異なります)。

1.夜明け前
Fajr(ファジュル)。夜が明け始めてから、日の出が終わるまでの間。

2.昼過ぎ
Zuhr(ズフル)。太陽が天頂を通過してから、午後のお祈りの呼び掛けが始まる20分前くらいまでの間。

3.午後
Asr(アスル)。影の長さが本体と同じ長さになった時から、日没時の礼拝の30分前までの間。

4.日没時
Maghrib(マグリブ)。日没から、夕焼けが完全に消えるまでの間。

5.夜
Isha(イシャー)。夕焼けが完全に消えてから、真夜中(日没と日の出の真ん中)までの間。

 

つまり、礼拝時間の定めは、何時と何時、という決め方ではなく、日没時間や日の出時間、太陽の位置という決め方なのです。

ですから、場所によって、時期によって(厳密に言えば日々!)変わります。

実際の礼拝時間は、現在ではネットやアプリで簡単に調べることができます。
例えばサウジアラビアの首都リヤドですと、現在の礼拝時間はこちらです。

 

なお、サウジアラビアと言えど、イスラム教徒の全員が毎日欠かさず礼拝を行うわけではありません。
一番大事な金曜日の礼拝だけ行う人、或いはほとんどお礼りしない人など、礼拝の状況はバラバラです。

 

 

お祈りの離席と、時間設定の配慮

イスラム教の礼拝がこのようなタイミングで行われるということはつまり、あなたの職場でも従業員が毎日礼拝のために何度か離席することを意味します。

つまり通常のオフィス勤務時間で言うと、お昼過ぎの礼拝午後の礼拝が関わってきます。

季節や勤務時間によっては、これに日没時の礼拝も入ってきます。

会社には礼拝用の部屋・スペースが設けられていますので、時間になると三々五々自席や持ち場を離れていきます。

 

ですから例えば職場であなたが、
「さっきまでAさん、パソコンに向かって作業してたのに、一体どこ行っちゃったの!?」
「Bさん、何も言わないで今まで15分もどこへ行ってたの!?」
と思うようなことがあったとき、もしかしたらそれは礼拝による離席かもしれません。

そうしたときに頭ごなしに「どうして居なかったのですか!?」と言ってしまうと、相手はビックリしてしまうかもしれません。
「この人はサウジアラビアのことをどれだけ理解しているのか?サウジアラビアで仕事をやっていく気持ちがあるのか?」と不信感を持ってしまうかもしれません。

ですから、先ずはひと呼吸おいて、お祈りに行きそうな時間帯ではないか、時間を確認するとよいでしょう。

 

また、現地の人と打ち合わせや会議を行うときは、礼拝時間に被らないように配慮することも大切です。

例えば「来週の火曜に○時から会議をするから来てください」と言うときでも、「あの件について打ち合わせしたいから、今ちょっと来てくれますか?」と言うときでも、相手の礼拝時間の都合まで考慮した上で話を持ちかけるといいですね。

或いは、長時間に及ぶ会議や、対外的なセミナーであれば特に、礼拝用の休憩時間を予め設けるべきかどうか検討する必要もあるでしょう。

 

なお、礼拝時間でひとつ気をつけなければならないのは、お礼りによる離席が度を越して長時間に及ぶ人もいる、ということです。

一度の礼拝は5分からせいぜい15分もあれば終わるものです。

ですから、もし礼拝で席を立った後の戻りがあまりに遅いと目に付くようであれば、何か事情があるのか尋ねてみたり、或いは「この時間であれば戻ってくるのが妥当であろう」と思われる時間に合わせて、何か業務上の約束にかこつけてもっと早くに戻ることを促してみたりする、ということが有効かもしれません。

 

 

まとめ

1.
礼拝はイスラム教徒の義務。”従業員は仕事中でもお祈りのために離席するもの”と理解を!

2.
会議時間の設定や人とのアポは、礼拝時間についての配慮を!

 

コメント、質問等ありましたら、こちらのフォームからどうぞ。

 

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英語と日本語の通訳翻訳者。TOEIC960点、英検1級。2016年から日本とサウジアラビアを行き来し企業の経営会議、技術指導等で18ヶ国300人以上を通訳、及び関連文書を翻訳。サウジ駐在・出張は、「行けば、何とかなる」「英語ができれば、何とかなる」で挑む人は、文化上・英語上のトラブルやストレスに見舞われて、任務の遂行に支障が出やすいと痛感。そこでこれを回避すべく、サウジアラビアに駐在・出張する人が是非知っておきたい情報を、本サイトでお届け!
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