サウジアラビアって治安はどうなの?

サウジアラビアの治安ってどうなんでしょう。
「イスラム教の国って、何だか怖そう!?」
「テロで何だか危なそう!?」
不安げな声も耳にしますが、ワタシの回答としては、次の通りです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
(もちろん日本同様、リスクが全くのゼロではない)
日本とサウジを行ったり来たりしながら、一年の3分の2をサウジアラビアで”半住人”として過ごすワタシの率直な感覚を言いますと、サウジアラビアは安全です!
例えばワタシの場合、欧米であれば地区によっては「ここはちょっと治安が悪そうだな」と感じて、体に緊張感が走ることがあります。
かつて駐在していたバングラデシュにしても安全でしたが、人口密度が強烈に高い国で(どんなに首都から離れても、過疎地がない!)、街中で人混みに紛れて財布をすられてしまったこともありました。
いや、これはワタシが悪いですね ・・・。
ところがサウジアラビアでは、街を歩いているときに自分の中の”危険センサー”が発動して気持ちに緊張が走る、ということがありません。
ごみごみした国でもなく、特にスリの心配もせずに平常心で過ごせています。
これは、サウジアラビアの人々が聖人君子だから・・・というわけではなく、ひとつには犯罪に対する刑罰が重いということがあると考えます。
例えばバングラデシュでワタシの財布を盗った人も、サウジアラビアであれば財布の中身次第では両手首を切り落とされていることでしょう。
実際、世界の犯罪指数を測った統計ではサウジは19位にランクインしています(日本は5位、米国80位)。これは刑罰の重さが、治安面に及ぼしているプラスの影響と言えるでしょう。
また、人口約3,400万人のうち、1,000万人以上を占めるとも言われる外国人の場合、法を犯すと強制送還になるリスクがあります(犯罪の度合い、初犯か否かで大分変わるようです)。
強制送還と言えば、ある企業の韓国人社長が入国時に荷物を開けられたところ豚肉が見つかって、3日間の拘禁の後国外退去をさせられたという話しも聞いたことがあります!
よほど大量に持ち込もうとしたのでしょうか・・・。
ともあれ、せっかく働くために行くのに強制送還を食らってはかなわないということで、人口の30%以上を占める外国人は総じて行儀よく振る舞っていることも、サウジの安全さに繋がっていると考えます(もちろん例外はいますが、それは他所の国でも同じことですよね)。
サウジアラビアの治安の良さの要因としてはもうひとつ、貧困層の割合が低い点が挙げられると考えます。
貧困率が中東諸国で最も低く、世界でも10番目に低いという報道も過去にはありました。
もっともサウジ政府は貧困に関する統計をあまり公にしないため、厳密にどこまで正確かは判りません・・・。
それでも、個人的な体験にはなりますが、南アジアでも北米でも目にしたホームレスや物乞いが、サウジアラビアでは目にすることが極端に少ないことを考えると、やはり世界でも相対的に貧困層の割合が低いのだろうと考えられます。
一方、日本ではあまりない治安上の問題として、サウジアラビアにはテロ行為があります。
例えば、少数派のシーア派が多く暮らす東部州のカティーフでは、当局に対するテロや、逆にシーア派のモスクに対する自爆テロが起こります。
しかし、この種のテロが起きる地域はこれまでのところ特定の地域だけであり、通常駐在者や出張者が行くような場所は、宗派同士の対立がある場所ではありません。
ただ、サウジの南に隣接するイエメンからミサイルが飛んでくる、というのは治安上のひとつの問題ではあります。
イエメンでは、サウジが肩入れする政府軍と、反政府勢力が争って内戦状態となっていますが、その反政府勢力がイエメンからサウジに向けて、時折反撃をしているのです。
ミサイルが飛来したり(大抵サウジが迎撃するのですが、その余波で破片が首都リヤドに落下したことも!)、南部の空港や空軍基地がドローン攻撃を受けたりしています。
それでも首都リヤドに住む人の話では、日常生活レベルで危険を感じることはないそうです。
また、ミサイル攻撃の標的となる地域は限定されていますので、国境から近い南部に行くことが特にないようであれば、差し当たってはミサイルの飛来に対する恐怖を感じることはないでしょう。
むしろ、テロよりも確率が遥かに高く危険なのは、交通事故です。
WHOの2018年の報告では、サウジアラビアの年間交通事故死者は推定9,311人。10万人あたり28.8人となっています(日本は4.1人)。
ですから、サウジアラビアの危険さが分かっていただけると思います。
サウジアラビアの運転はホントに荒いですよ。
スピードの出し過ぎ、遅いブレーキ、車間距離の短さ等々、「あなたたち、日本じゃ絶対免許受からないからねー!!」という運転のオンパレードです。
サウジアラビアでは、後部座席でもシートベルトはしておくといった自衛手段を取っておくことを、強くオススメします。