発言はまず、イエス/ノーの意思表示から

「相手の発言・質問に応答しても、イマイチ反応が鈍いな・・・」
もしあなたがサウジアラビア駐在・出張でそう感じたら、その原因はひとつには相手の英語力が十分でないのかもしれません。
或いは、あなたが伝えたつもりの意図が、相手には十分伝わってはいない、ということも考えられます。
お互いが英語という外国語で会話をするサウジアラビアでは、とりわけ強く意識すべきは、先ず意思表示をはっきりするということです。
即ち、発言の最初にイエスなのかノーなのかを示すことを心掛けましょう。
のっけからズバッとイエス/ノー!
要するにあなたが、
賛成なのか、反対なのか?
差し支えないのか、困るのか?
容認できるのか、認められないのか?
会話で発言するときは、先ずはこの意思表示をズバッと示しましょう。
どうしてこの意思表示が大切かと言うと、あなたの発言の、究極のまとめだからです。
イエス/ノーの意思表示は、その後にあなたが話す内容の、言わば”予告編”となります。
ここがきちんと伝わると、あなたがその後にイエスかノーかどちらの方向性で話を進めていくのかを、相手も頭に入れた上で聞いてくれます。
だから全体的にあなたの話がより通じやすくなるのです。
ここで避けたいのは、イエス/ノーの意思表示の前に、説明から入ることです。
物事ですとか相手の言動に対して、最初にかくかくしかじかと説明を始めて、”〜であるからして、イエス/ノーです”式の発言、或いは”〜ではありますが、現状を鑑みるとイエス/ノーです”的な発言は、オススメできません。
なぜならこのような話し方をすると、相手としてはひと通り話を聞き終わるまで、結論が判らないからです。
これですと、相手が何よりも聞きたいあなたの結論が、最後まで宙ぶらりんになってしまいます。
あなたの説明を聞いている間、相手は「この人は私の話を理解した上で話しているのかな?」「この話はどこへ着地するのかな?」と不安に思ってしまいます(ワタシの経験では、結構な確率で貧乏ゆすりをし始めることでしょう)。
また、イエス/ノーを最後に持ってくると、そこに至るまで話すことが多くなるため、その分あなたの英語が途中で伝わらなくなったり、誤解されたりする可能性も増えます。
お互い英語を外国語として使っている以上、致し方ないことではあるのですが、だからこそ、できるだけシンプルに判りやすい会話を、普段の日本語での会話のとき以上に心掛ける必要があります。
イエス/ノーを即断できない場合は?
最初にイエス/ノーの意思表示を示そう!
というのは、シンプルで判りやすい話ではあります。
それでは、サウジアラビアで、例えば部下の現地スタッフからこのように言われたら、あなたならどんな返答をしますか?
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「離れた場所で暮らす家族が病気だから、3日間休みをもらえますか?」
事実なら心配だろうし、休ませてあげたい。
でも、ホントに家族が病気なのか判断が付かない。
ひょっとしたら、単に仕事を休みたいだけかも!?
このように咄嗟には判断が付かず、イエス/ノーを即決できない状況も、場合によっては出てくるでしょう。
そのようなときは、判らないのですから無理をせず、先ずは「判らない」という意思表示をしましょう。
「Well, what should I do?」でも結構です。
「Let me think. 」でも構いません。
イエスかノーかは、その後で考慮・検討すべきことです。
「どう決断すればいいか?」「どう英語で返答すればいいか?」と思案に耽る姿や、真剣さのあまり目を閉じて熟考する姿を見せると、相手は「果たして自分の発言、話題の趣旨が理解されているのかな?」と不安になります。
判らないなら判らない旨を先ず表示すると、相手は自分の言葉がちゃんと届いていることを確認できて、ひとまず安心できます。
また、先に「判らない」という思いを伝えておくと、相手がイエス/ノーの早合点をすることを防げます。
判らないから考えているのに、「ノーと言わないからイエスなんだ!」と解釈されてしまい、後になって「ぬか喜びだった」「騙された」などと都合よく言われては敵いません。
とにかく、サウジアラビアでお互いが英語を外国語として話す人同士になる会話ですので、円滑な意思疎通のポイントは、先ず言葉を出してあなたの意思を伝える、ということです。
まとめ
1.
物事や相手の言動に対するコメントでは、先ずイエス/ノーを伝える。説明はその後!
2.
イエス/ノーを即決できないときは、先ずは「判らない」という意思表示をする。熟考・説明はその後!